茶庭を造らせて頂きました。
入口は勾配がきついコンクリートだったので、延石と砂利洗出しの階段にしました。
玄関の横には土を突き固めた版築。　土に混ぜる材料の量で色を変え、波模様を描きます。どんな模様になるかは、型枠を外してからのお楽しみになります。足元は小豆島石と下草で彩りました。
茶庭までの通路は、錆砂利を一面に敷き、植栽地との境に既存の灯籠や金閣寺垣で仕切っています。
待合周辺から通路を始め、川石で飛石を打ち、茶室へと誘います。延段も川石を使っています。蹲踞周りは、裏が山の法面なので、一部は土留めに阿蘇溶岩石を積み、建仁寺垣を茶庭が終わるところまで作りました。
灯籠、手水鉢は既存のものを使い、周りは杉苔で緑にしました。
深い緑と古い石が空間に静けさと趣を生み出します。
にじり口は、松明垣と木賊垣の袖垣で仕切り、雨落ち線辺りまでマサキチでタタキ風に。その中にある円い穴はちり穴と言われ、名前の通り木葉など塵を捨てるための穴です。
茶庭は滅多に造る機会がないので、職人一同大変貴重な工事ができました。来られた方々に、この庭を見て頂きながら茶室へ…
そう考えると、造った私たちも嬉しくなってきます。