住まいの快適さは、家の中だけでなく外構にも大きく左右されます。特に外からの視線を適度に遮る“目隠し”の工夫は、プライバシーと心地よさの両立に欠かせません。今回は、目隠しとして活躍する7つのエクステリアアイテムをご紹介します。デザイン性・機能性・メンテナンスのしやすさなど、それぞれの特徴を知ることで、ご自宅に最適なスタイルを見つけてください。
目次
定番の安心感「フェンス」
エクステリアの目隠しといえば、まず思い浮かぶのがフェンスです。アルミや樹脂製、天然木調など多様な素材とデザインがあり、住宅のテイストや用途に合わせて選べます。
画像引用元:株式会社ワイドアルミ
こちらの施工写真に写っている白い木目調のフェンスは、アルミ製で、木目調のラッピングシートが施されています。アルミ製フェンスは、軽量でサビに強く、耐久性に優れています。また、表は木目調、裏はアルミ素材といったように表裏で違う表情が楽しめます。
画像引用元:Rise Exterior ライズエクステリア 有限会社富士美建
樹脂製フェンスは、別名「人工木フェンス」と呼ばれ、木粉を樹脂で固めて整形した板材を使用しています。軽量で腐食に強く、耐久性に優れているのが特長です。また、色むらをあえて施すことで一枚一枚に表情が生まれ、木の質感がリアルに再現され、その仕上がりは天然木と見間違うほどです。
画像引用元:株式会社タップハウス
天然木調フェンスは、木の温もりと風合いが魅力的なフェンスです。本物の木材を使用するため、定期的な塗装や防腐処理が必要ですが、経年変化も味わいとして楽しむことができます。
そして、フェンスは素材だけでなく、フェンスのタイプも豊富で、視線を完全に遮る「目隠しタイプ」から、風や光を通す「ルーバータイプ」まであります。また、デザインや機能のバリエーションも豊富で、敷地条件や好みに応じた選択が可能です。
画像引用元:株式会社庭遊館
こちらの写真はガーデンプラットに掲載されている写真ですが、フェンスで目隠しをしたことで、浴室からお庭を鑑賞できるようになっています。このように、用途に合わせてフェンスの種類を選ぶことで、機能性と美しさを両立した、より快適な住空間を実現することができます。
ナチュラルなアクセント「枕木」
画像引用元:エクステリアガーデン ダイコウ
枕木は、鉄道の線路に使用されていましたが、今ではエクステリアの装飾材として人気を集めています。縦に立てて並べることで、自然な目隠し効果を得られるうえ、ナチュラルな雰囲気を演出できます。素材は、天然木風のコンクリート製品が主流で、腐食や虫害の心配が少なく、安心して使えます。程よい隙間があることで、視線を完全に遮らず、柔らかく目線を逸らすイメージが作り出せるので、枕木で目隠しするデザインもよく選ばれます。
スタイリッシュに仕切る側面パネル
画像引用元:有限会社海馬工苑 仙台利府営業所 Garden Gallery OAZON
カーポートやテラスに取り付けられる側面パネルは、目隠しと機能性を両立した便利なエクステリアアイテムです。外からの視線を遮りつつも、圧迫感を与えにくいデザインが多く、快適なプライベート空間をつくるのに役立ちます。パネルの素材は、ポリカーボネートやすりガラス調のアクリル、アルミルーバーなど多彩な種類があります。明るさを保ちながら視線をカットするタイプや、風雨の吹き込みを軽減するタイプもあり、設置場所の用途や目的に合わせて選べます。特にカーポートでは、車を雨風やホコリから守るだけでなく、隣家からの視線を遮ることで、防犯性やプライバシーの向上にも効果的です。また、テラスまわりではリビングの延長として快適な空間を演出し、外時間をより楽しめる環境を整えてくれます。
四季を感じる「樹木や生垣」
画像引用元:株式会社パサニアガーデンうさぎの庭
樹木や生垣も、エクステリアに癒しをもたらす目隠し方法です。常緑樹であれば葉を落とさないので、一年を通して目隠し効果があります。トキワマンサクやキンモクセイ、レッドロビンなどは、比較的成長が早く管理もしやすいため、目隠し用として人気です。ただし、定期的な剪定や病害虫対策などの手間は必要となるため、植える位置や種類選びには計画性が求められます。
重厚感と安心感「擁壁」
敷地の高低差を活かして視線を遮る場合は、擁壁が有効です。コンクリート製の構造物として、高さのある目隠しを実現できます。特に、隣地との境界に段差があるケースでは、擁壁による目隠しが安全面でも重要な役割を果たします。
画像引用元:エクステリアパーク コンパス
コンクリートといっても打ちっぱなしの無機質なものから、タイルや石材、そしてこの施工写真のように、木目調に装飾したものなどがあり、見た目にもこだわることができます。
和の風情を演出する「竹垣」
竹垣は古くから目隠しや仕切りとして親しまれてきた伝統的なエクステリアアイテムです。和の趣を取り入れたい方にはぴったりの選択肢で、住宅の外観や庭との調和を大切にしたい方におすすめです。竹垣には、「四ツ目垣」や「建仁寺垣」「御簾垣」など、編み方や構造によって多彩なデザインがあり、それぞれに異なる雰囲気や風情があります。自然素材の竹を使用することで、経年による色の変化や風合いの深まりも楽しめる一方で、耐久性や手入れの面ではメンテナンスが必要になる場合もあります。
画像引用元:ガーデン工房株式会社サネフジ
ただ、近年では、天然竹の風合いを再現した樹脂製の竹垣も登場しており、耐候性や耐久性に優れているので、メンテナンスの手間を大幅に軽減することができます。そのため、自然素材ならではの経年変化を楽しみたい場合は天然竹垣、メンテナンスの手間の軽減したい場合は人工竹垣がおすすめです。
個性派で魅せる「ガビオン」
画像引用元:有限会社 design Loop
ガビオンとは、ワイヤーのかごに石を詰めた構造物です。無骨ながらも自然素材の力強さがあります。中に詰める石材や配置によって、デザインに幅が出せるのもポイントです。石が音を吸収するので、ある程度の防音効果も期待でき、道路沿いや交通量の多いエリアでは、視線だけでなく騒音からのバリアとしても機能します。
まとめ
目隠しアイテムにはそれぞれの良さがあります。「完全に視線を遮りたい」「自然の雰囲気を取り入れたい」「メンテナンスの負担を減らしたい」など、ニーズに応じて選ぶことが大切です。また、エクステリアの目隠しは、プライバシーの確保だけでなく、外観の印象や住み心地にも大きく影響します。ぜひ、機能とデザインを両立させた目隠しで、より快適な住まいづくりを実現してみてはいかがでしょうか。
ライター:Naaya