11月~スペイン ”バスク”便り

スペイン北部のバスク州を訪ねました。ここは、スペインの中にありながら、独自の文化や言語を持つエリア。かつては独自の自治政府もあったこの場所を、ここに住むバスク人たちはスペインと言わずバスクカントリーだと主張します。3つの県からなるこの地域では、フランスピレネーから続く巡礼の路があり古い町並みや教会、街から少し離れれば牧歌的な長閑な風景の広がるとても美しい所。今回はここバスクからの便りです。

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まずはこのバスクの首都、そしてスペイン北部最大の街でもあるビルバオを訪ねました。もとは工業地帯として発達したこの地、現在文化都市としてモダンな建築やランドスケープが加えられ、昔からの古い町並みとそれらの新しい要素がマッチしたとても素敵な町並みが特徴です。私の目的なグッゲンハイム美術館。運河沿いに立つ奇抜な建築で有名なこの場所ですが、植物好きにはたまらない、なんとも素敵なアート作品もここの目玉としてその入り口にでんと構えています。その名も「puppy」。アーティスト、ジェフ・クーンズ作の高さ12mの巨大な犬のトピアリーです。

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私が滞在したのは、そのビルバオからバスで1時間程走った、ゲルニカ。ピカソの大作ゲルニカでその名を聞いた事のある人もいるかもしれません。人口12000人という小さな街で年に1度開かれるバスクのお祭りに運良く行く事が出来ました。10月の最終月曜日に開かれるこのお祭りではチーズ、生ハム、地元参ワイン、野菜やお菓子などが並べられ多くの人たちで賑わいます。バスクの伝統機な衣装を身に着けた女性や子供たち、バスク発祥でシンボルでもあるベレー帽をかぶったおじさん、中央会場ではバスクの歌が披露され飛び交う言葉もバスク語。色々な屋台でチーズやお菓子の試食をしながらこのお祭りを堪能しました。

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004そして、バスクの南に位置し、スペインのワインの一大産地でもあるラグアルディアを訪ねました。おいしいワインを堪能するのはもちろんですが、なんと言っても景色が最高。城壁に囲まれた小さな街とその周辺に広がるぶどう畑。ちょうど今が紅葉の美しい季節で、赤や黄色、色づき始めた葉のそれはそれはもう美しい事と言ったら、言葉に現せない程。おいしいワインと景色で心もお腹も満タンになりました。

(左の写真をクリックすると拡大します。)

スペイン北部のバスク。のんびりゆっくりしたい人にお勧めの場所です。

profile

  • 武蔵野美術大学卒業後、造園会社に勤務、多くの庭づくりに携わる。
    現在は拠点を房総に移し、イラストレーター、ガーデンデザイナーとして活動中。
  • 著書「トカイナカに暮らす」(草土出版)
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  • NAOMIGARDEN

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