「ポタジェガーデン」という言葉を聞いたことはありますか?コロナ禍でおうち時間を楽しむためや野菜の価格高騰をきっかけに家庭菜園を始める人が増えました。ポタジェガーデンは、フランスの発祥の家庭菜園のことで、日本の家庭菜園とは少し違います。お庭やバルコニーなどの限られたスペースでもできるポタジェガーデン。その魅力を紹介します。
目次
ポタジェガーデンとは
画像引用元:花畑園芸公園
ポタジェガーデンの「ポタジェ(potager)」はフランス語で家庭菜園という意味で、フランス発祥の家庭菜園です。日本の家庭菜園では野菜などを育てて収穫がメインですが、ポタジェガーデンは収穫だけでなく鑑賞も目的としています。日本の家庭菜園では、同じ野菜などを等間隔に植えますが、ポタジェガーデンでは、野菜や果物、花やハーブを混ぜて植えるのが特徴です。
ポタジェガーデンで植えられるもの
ポタジェガーデンは「コンパニオンプランツ」を取り入れるのに向いています。コンパニオンプランツとは、野菜や花を一緒に植えることで、お互いに相乗効果をもたらす植物のことをいいます。別名「共栄作物」「共生作物」とも呼ばれていますが、病気や害虫の防除、農薬や化学肥料の削減、土壌の健全化の促進といったような相乗効果があります。また、背の高い植物の株元に別の植物を植えたり、生育速度の異なる植物を組み合わせて収穫の時期をずらしたりするなど、空間を有効活用することができます。このような特徴から、野菜や果物、花やハーブを混ぜて植えるポタジェガーデンはコンパニオンプランツと特徴がぴったり合います。
コンパニオンプランツのいい点ばかりを挙げましたが、組み合わせによっては害虫を呼んでしまうなどの悪影響を及ぼす場合があります。何と何を組み合わせれば良いか、一般的に相性が良いと言われている組み合わせを紹介します。
マリーゴールド
マリーゴールドはコンパニオンプランツとして有名な花です。農作物に被害をもたらすセンチュウの駆除ができるほか、害虫を餌にする天敵を呼んだり、野菜を好むモンシロチョウやアオムシ、アブラムシなどの害虫を匂いで遠ざけたりといった害虫対策ができます。
ナスタチウム
ナスタチウムは、別名「金蓮花(キンレンカ)」と呼ばれています。コンパニオンプランツとしてだけでなく、食べられる花「エディブルフラワー」としても人気の花です。ナスタチウムは、アブラムシなどの害虫対策のほか、害虫を餌にする天敵を呼ぶ効果もあります。
バジル
水分が少ないと甘味が増すトマトは、水をよく吸収するバジルとの相性が良いとされています。また、バジルの香りでアブラムシなどの害虫対策となり、トマトにとっては一石二鳥となる組み合わせです。
パセリ
パセリは独特な香りがする野菜なので、害虫を寄せつけない効果があります。そして、パセリは暑さに弱く、真夏は生育が悪くなりますが、ナスやピーマンといっしょに植えることで、それぞれの葉が日差しを遮り育ちやすくなります。また、パセリがナスやピーマンの根の乾燥を防ぐため、どちらにとっても生育促進につながります。
ポタジェガーデンのつくりかた
植えるものを決める
ポタジェガーデンは、収穫と観賞を目的としたガーデンです。雑然としたガーデンにならないよう、草丈や彩りなどを考えて選びます。そのなかでコンパニオンプランツを意識して選ぶと無農薬(または無農薬に近い)野菜やハーブが収穫できます。
植える場所とレイアウトを考える
日当たりや水栓の位置などに考慮し、植える場所を決めます。このとき、どの位置からでもお手入れや収穫がしやすいようにレイアウトを考えましょう。
画像引用元:ホームセンター通販【カインズ】
プランターやコンテナなどを用意すれば、ウッドデッキ上やマンションのベランダでもポタジェガーデンを楽しめます。また、高さの違うプランターやコンテナを用意したり、1つのコンテナの中にレンガなどを置いて高低差をつけたりすると、見栄えが変わって鑑賞するときに楽しめます。
苗の植え付け
レイアウトを考えた後は苗の植え付けです。植え付けは、夕方や曇っているときなど炎天下を避けて行いましょう。また、植え付けの際は、成長後のことを考えて間隔をあけて植えていきます。
植えた後は、水やりなどをして育てます。花が咲き、ハーブや野菜が実り、彩り豊かなガーデンを想像するとワクワクしますね。ポタジェガーデンは戸建てでも集合住宅でも作れます。是非、思い思いのポタジェガーデンをお楽しみください。
ライター:Naaya