10月~秋草の季節

寒いですね!今が一年のうちで一番寒い時期。 今年はどんなお庭にしようかな?どんな植物を植えようかしら? あまり庭仕事が忙しくないこの時期だからこそ、読みたかった園芸本を読んだり、雑誌を読み返したりして、今春からのガーデンプランを練るのが、この時期の楽しみの一つです。 今回は、寒い冬を飛び越して初夏のニュージラーンドからのレポートです。お国変われば植物も変わる。普段見慣れたものから、あまり見慣れないものまで、出会った植物たちの情報をお届けします。

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私が訪れたのは、ニュージーランドの南島。今回はきれいな湖で有名なテカポ湖を訪れました。湖の景色ももちろん楽しみだったのですが、やはり最大のお目当ては咲き誇るルピナス!これ実は雑草の1種なのですが、観光客のお目当ての一つになっているだけあって、本当にきれい!紫色が多く見受けられたのは、遺伝的に紫が強いのかな?オレンジのようなコーラルピンクのような品種はまれに見る感じ。でも何よりもこの甘い香りにうっとりです。

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ルピナスから甘い香りが漂います

テカポ湖を見下ろすマウントジョンからの景色

ここテカポ湖周辺の夜空は、今とっても注目の場所。実は、今後この美しい星空が世界遺産になるのではないか?!と言われているのです。晴れれば、空一面の降るような星空と、日本では見る事の出来ない南十字星が出迎えてくれる事でしょう。って、やっぱり天候次第。私が滞在しているときは残念ながら曇り。次回こそは!!と意気込む私でした。

そして、私が今回とても気に入った場所がアロータウン。有名なクイーンズタウンから車で30分ほどの小さな町なのですが、街全体の雰囲気がかわいい。かつてゴールドラッシュの時代に、たくさんの人々が金を求めてこの地にやってきたそうです。当時の開拓者たちが建てた建物が残っていたりして、とっても素敵な雰囲気を醸し出しているんですね。
そして何よりもすばらしいのが、花好きを満足させるほどのバラであふれているのです。

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バラが満開です
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バラとクレマチスの組み合わせ。それにしてもこのクレマチス大きい

観光案内所にバラマップなどもありましたが、実際その通りに訪ねていると、「え?ここのバラはどこ?」とちょっと見当たらない箇所もあったり、ちょっといい加減でした。町をぶらぶらしながらバラを楽しんだ方がいい感じです。バラもきれいですが、町外れの公園の生け垣がぶどうだったのにも驚きでした。

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室内もかわいらしいアンティーク家具でコーディネートされていて、とっても素敵でした

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ポーズをとるペンギンちゃん

そして念願だったペンギンちゃんに会いにいきました。ニュージーランドの南島のダニーデンでは、野生のペンギンたちを見る事ができるんですよ!いたのは、イエローアイドペンギン(黄色い目という意味)ちゃん。とにかくかわいい!!でも、海岸で偶然であった野生のアザラシの方がびっくりしたかな? 昼間は海岸でごろごろ寝ているそうです。

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この中にアザラシがいます。さて、どこでしょう?
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うるさいなーと場所を移動するアザラシ

その後、ラーナック城(LARNACH CASTLE)に行きました。ここのお庭なかなかいいんです。ダニーデンに行くときは、必ずペンギンとこのお城の庭を訪ねると満足する事間違いなしです。

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色鮮やかな植栽のロックガーデン

相方君の友人宅に一泊した私たち、自宅ではちょうど初夏が見頃のエルダーフラワーを使った自家製のエルダーフラワージュースや、もちろん自家製のジンジャービール(これってビールじゃないけどそう言うらしい)をごちそうになりました。ちなみに、エルダーフラワーというのは西洋ニワトコの事。

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西洋ニワトコ

イギリスに行った時も、エルダーフラワーのジュースを見かけました。どうやら水にエルダーフラワーを入れて、砂糖とイーストを入れるらしいのですが、これってお酒?ときくと、いやいやジュースだって言い張ります。でもイースト菌で発酵させて2週間ほど寝かせるんだとしたら、それってやっぱりお酒?日本で作ると酒税法違反になるのでは???なんて・・・。シュワシュワしておいしかったので、たくさんいただいちゃいました。

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サンデーマーケットで見つけたエルダーフラワーのジュース

今年もまた色々花を見に、いろんな所へ行きたいなと願う私でした。

profile

  • 武蔵野美術大学卒業後、造園会社に勤務、多くの庭づくりに携わる。
    現在は拠点を房総に移し、イラストレーター、ガーデンデザイナーとして活動中。
  • 著書「トカイナカに暮らす」(草土出版)
  • 本人サイト
  • NAOMIGARDEN

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